知財経営研究社「知的財産管理技能検定1級について



知的財産管理技能検定1級 について


 知的財産管理技能検定1級とは? 

  一般財団法人知的財産研究教育財団(旧 知的財産教育協会)様によれば、「知的財産管理技能検定」とは、企業・団体(学校・官公庁等)における知的財産(発明(特許)・考案(実用新案)、ブランド(商標)、著作権等)の創造・保護(権利化)・活用に関する知識及び実務的な能力に関する国家試験です。
  レベルに応じて1〜3級の階層があり、1級が知財検定試験における最高峰となっています。1級につきましては当初暫くは、「特許専門業務」の試験のみが実施されてきましたが、第7回学科試験(2010年11月14日実施)からはコンテンツビジネスの法務関連の資格として、知財検定1級 コンテンツ専門業務 が加わりました。また、第17回学科試験(2014年3月9日)からは、「ブランド専門業務」も行われることになりました。
  試験は1級〜3級それぞれについて学科試験と実技試験が実施され、学科試験および実技試験の両方を合格すると「技能士」と称することができます(名称独占資格)。つまり、例えば1級(特許専門業務)の学科試験・実技試験に合格すると、厚生労働大臣より合格証書が授与され、「一級知的財産管理技能士(特許専門業務)」と名乗ることができます。ただし、特許専門業務、コンテンツ専門業務、ブランド専門業務のどれか1つで1級の合格者になれば、合格した以外の専門業務の学科試験は免除されることになっています。
  特に「1級」ということではありませんが、2016年5月に公表された「知的財産推進計画2016」において、知的財産管理技能検定の資格取得が推奨されています。例えば、「知的財産に関する国民の理解の向上を図るため、啓発活動を推進するとともに、例えば知的財産管理技能検定等、知財関連資格の取得を推奨する。(P27)」、「地域中小企業及びその支援者の知財意識を高めることにより知的財産への適切な取組を促すため、知的財産管理技能士資格の取得を奨励する。(P30)」のように推奨されています。
  なお、知的財産管理技能検定試験は、一般財団法人知的財産研究教育財団(旧 知的財産教育協会)様が2004年より実施してきた前身の 「知的財産検定」 から移行したもので、2008年7月に第1回検定試験が実施されました。このため、略して 「知財検定」 などとも呼ばれています。

 どのような人たちが1級の受験をしているか? 

  一般財団法人知的財産研究教育財団(旧 知的財産教育協会)様が実施し、公開したアンケート結果によれば、大企業における知財部門の方の受験が最も多いであろうことが伺えます。次いで企業の研究開発部門の方、弁理士事務所勤務の方、というような傾向です。同協会からは、受検申込者数の多い企業100社/大学・大学院100校といったデータが公表されています。
  なお筆者の知る限り、知財管理部門に所属されている方であれば 「知的財産管理技能検定2級」 は特別なものではなく、2級取得で十分に満足されている方はあまりおられないようですが、2級の合格者の方が1級を目指す比率というものはあまり高くはないようです。知財部門・知財業界の中で自分をアピールするためのツールとしては、2級ではインパクトに欠けるとは認識しつつも、1級はやはりそれなりに高いハードルになっているようですし、2級の次は弁理士を目指すという方もおられるようです。(率直なところ、2級では知財業界への就職・転職においてさほどの優位性があるとは思えません。)
  なお、コンテンツ専門業務に関しては、コンテンツビジネス業界(テレビ局の方など)でお仕事をされている方が受験されているようです。
  弊社の「合格マニュアル」のご利用者からお寄せ頂くメッセージは、弁理士の方から頂くことも少なくありません。合格を果たされた際に、「実は弁理士です」という具合に教えて頂けることがあります。ごくまれに、弁護士の方かたもそうしたメッセージを頂くことがあります。

 どのような人たちが1級の 受験の資格 を有するか? 

  受験資格につきましては、一般財団法人知的財産研究教育財団(旧 知的財産教育協会)様の定める規定がありますので、そちらをご参照下さい。また、知的財産管理技能検定の体系図も参考になります。

 どのような人たちが1級に合格しているか? 

  知的財産研究教育財団が過去に実施したアンケート結果(以前は公開されていました)によれば、知財部門の方、弁理士事務所勤務の方、が大半を占めています。また、このアンケートでは合格者の100%が「弁理士学習経験者」となっています。筆者は弁理士試験の受験経験なく合格しましたが、教材としては弁理士試験教材は用いましたので、筆者もここでいう「弁理士学習経験者」に該当するのかも知れません。
  合格された方の学習方法、合格するための学習方法等につきましては、次のページを参照して下さい。
    知財検定 1級 合格 のために何をすべきか?

 何の目的で1級を受験しているか? 

  これにつきましてはアンケート結果等のまとまったデータがありませんが、自己の「スキルアップ」のためというのが最も多いのが通常であると考えます。時代を反映して将来の不確実性に備えるため、という方もおられるでしょう。また、知財業界は人材の流動性が比較的高い(ある企業での経験が、他の企業等でも通用しやすい?)業界ということもあって、知財部門におられる方にとっては将来訪れるかも知れない転職等の機会も視野に入れて、自己のスキルパスを広げておくために弁理士資格を筆頭に、何らかの確かな 「有資格者」でありたい、という方もおられるのではないでしょうか。

 1級の試験範囲・出題範囲は、どのようなものか? 

  知的財産研究教育財団が公表している情報に基づき、特許専門業務」 と 「コンテンツ専門業務」 の試験範囲対比表 を作成しました。また、知的財産研究教育財団より、 1級の試験問題(過去問)(学科試験・実技試験)が公開されましたので、それをご覧頂ければおおよその試験の傾向が把握できるはずです。
  なお、「合格マニュアル」には、過去数回分の、出題問題分野の一覧表を記載しております。

 1級は、どれくらいの 難易度 なのか? 

  知的財産研究教育財団様が公表している過去の知的財産管理技能検定1級学科試験のデータから合格率を計算しますと、6.4%〜18.9%(特許専門業務)となっています。単純に平均しますと10%強程度といったところです。実技試験はほとんどの方が合格しており、1級は実質的に学科試験に受かるかどうかで合否が決まるということができるようです。1級学科試験の合格基準は正答率が80%以上とされています。
  知的財産研究教育財団様から詳細な発表はありませんが、得点調整(加点)した回もあるようですので、1級学科試験の合格基準は実質的に上位10%程度に入ることだといえると考えます。合格率だけからみますと、かなりの難関であるということができます。試験問題が非公開だったころは、主催者側による合格率の調整は行い易かったかも知れません。しかし最近は試験問題・正答とも公表されるようになりましたので、合格率バラツキが多くなりました。
  前述のとおり、知的財産研究教育財団様より 1級の試験問題(過去問)(学科試験・実技試験)が公開されるようになりました。情報が少ないことによる1級試験対策の難しさは、少しずつ解消される方向にあるといえます。

 知的財産管理技能検定試験の合格率 

  知的財産研究教育財団様の公表データをもとに算出しました。
  第1回〜第15回までは、「合格率=合格者数/受験者数」で算出。
  第16回以降は、受験者数が公表されなくなったため、「合格率=合格者数/申込者数」で算出。

 実施回・年月  2級  1級 (特許)  1級 (コンテンツ)  1級 (ブランド) 
 第1回
 (2008年7月)
 50.5%(学科) 
 46.4%(実技) 
 6.6%(学科)  -  - 
 第2回
 (2008年11月)
 32.6%(学科) 
 15.8%(実技) 
 8.0%(学科) 
 100%(実技) 
 -  - 
 第3回
 (2009年3月)
 23.6%(学科) 
 15.8%(実技) 
 6.6%(学科)  -  - 
 第4回
 (2009年7月)
 41.5%(学科) 
 17.7%(実技) 
 9.0%(学科) 
 98%(実技) 
 -  - 
 第5回
 (2009年11月)
 19.0%(学科) 
38.2%(実技) 
 7.5%(学科)  -  - 
 第6回
 (2010年6月)
 31.3%(学科) 
 26.0%(実技) 
 15.7%(学科) 
 100%(実技) 
 -  - 
 第7回
 (2010年11月)
 19.2%(学科) 
 37.0%(実技) 
 6.4%(学科)  7.6%(学科)  - 
 第8回
 (2011年3月)
 35.6%(学科) 
 49.7%(実技) 
 -  88.9%(実技)  - 
 第9回
 (2011年7月)
 37.5%(学科) 
 35.1%(実技) 
 10.2%(学科) 
 84.6%(実技) 
 7.8%(学科)  - 
 第10回
 (2011年11月)
 20.7%(学科) 
 52.9%(実技) 
 17.3%(学科)  17.1%(学科)  - 
 第11回
 (2012年3月)
 26.9%(学科) 
 21.8%(実技) 
 -  -  - 
 第12回
 (2012年7月)
 32.1%(学科) 
 52.8%(実技) 
 100%(実技)  20.1%(学科)  - 
 第13回
 (2012年11月)
 23.3%(学科) 
 51.2%(実技) 
 9.8%(学科)  92.1%(実技)  - 
 第14回
 (2013年3月)
 55.9%(学科) 
 59.4%(実技) 
 97.8%(実技)  -  - 
 第15回
 (2013年7月)
 42.9%(学科) 
 56.9%(実技) 
 -  14.6%(学科)  - 
 第16回
 (2013年11月)
 21.9%(学科) 
 53.8%(実技) 
 18.9%(学科)  74.3%(実技)  - 
 第17回
 (2014年3月)
 28.0%(学科) 
 30.0%(実技) 
 80.7%(実技)  -  19.8%(学科) 
 第18回
 (2014年7月)
 42.1%(学科) 
 38.8%(実技) 
 -  15.1%(学科)  94.7%(実技) 
 第19回
 (2014年11月)
 36.8%(学科) 
 45.1%(実技) 
 8.7%(学科)  83.1%(実技)  - 
 第20回
 (2015年3月)
 36.1%(学科) 
 44.2%(実技) 
 61.8%(実技)  -  10.2%(学科) 
 第21回
 (2015年7月)
 47.1%(学科) 
 39.4%(実技) 
 -  11.9%(学科)  44.2%(実技) 
 第22回
 (2015年11月)
 57.1%(学科) 
 61.0%(実技) 
 9.3%(学科)  77.8%(実技)  - 
 第23回
 (2016年3月)
 36.6%(学科) 
 51.3%(実技) 
 80.9%(実技)  -  6.2%(学科) 
 第24回
 (2016年7月)
 48.7%(学科) 
 57.1%(実技) 
 -  11.0%(学科)  86.3%(実技) 
 第25回
 (2016年11月)
 56.1%(学科) 
 41.8%(実技) 
 10.7%(学科)  87.5%(実技)  - 


 1級の合格までに、どれだけの 学習時間 が必要なのか? 

  根拠となるデータがありませんので、あくまでも筆者の感覚的な見解となりますが、1級受験者資格をようやく手に入れた程度の実務経験を持ち、弁理士試験の学習経験がなく、2級の合格を果たした標準的な方、すなわち学習開始時点ではまだ1級試験に全く歯が立たないレベルの方を想定して、1級学科試験の合格レベルに到達するまでの学習所要時間は、ある程度効率的に学習を進められた方であれば当社の【合格マニュアル】を使用しない場合を想定しますとおおよそ400時間程度が1つの目安ではないでしょうか。実際に合格を果たせるかどうかは運・不運の要因もありますので、あくまでも「合格レベルに到達するまでの学習時間」、という見方をしております。ただし、学習方法によってははるかに多くの時間がかかる場合もあるでしょう。
  業務を通じての知識の習得や企業が与える研修・セミナー受講の機会などとの切り分けができるわけでもありませんので、あくまでも非常に大雑把なものとして、です。
  なお、当社の【合格マニュアル】では合格レベルに到達するまでの学習所用時間が極力少なくて済むようにすることを大きなテーマとしております。目安として、前述の方が合格マニュアルをご利用されたとして、200時間程度で合格レベルに到達できるようになるのではないかと考えます。合格のご連絡を頂いた方の中には、わずかな学習量で合格を果たされたという方もおられますが、筆者はそういうタイプではありませんでした。何度も何度も反復学習を行ってようやく、知識事項の記憶が安定したものになりました。「200時間」というのもそういう方をイメージしたものです。

 1級に合格するまでに、どれだけの 費用 がかかるか? 

  一般的に難関といわれる資格試験の合格のためには、少なからず費用がかかります。
  知的財産研究教育財団様によれば、1級学科試験の受験料は8,900円、実技試験の受験料は23,000円で、受験料だけで最低でも合計3万円強はかかることになります。1級学科試験の試験範囲をカバーするための教材を弁理士教材を含めて、一般書籍に求めた場合、特許専門業務の場合では書籍代として4万円程度、コンテンツ専門業務の場合では2万円程度はかかるのではないでしょうか。もちろん、社員教育に熱心な企業内におられるなど好環境におられる方ははるかに少額で済むかも知れません。筆者の周辺でも、1級受験料が会社持ち、試験直前期に行われていた、知的財産研究教育財団様認定の知的財産管理技能検定1級対策講座(セミナー)の代金も会社で援助、という方がおられてとても羨ましく感じたものです。
  教材集めは、工夫をしないと膨大な量になり、結果として自分の学習意欲を下げてしまうものにもなりかねません。当社【合格マニュアル】及び、それをご購入頂いた方へのフォローアップ情報として、購入すべき一般書籍は重要かつ実効性のあるものに限定した形で推奨しております。1級に初めて挑戦される方にとりましては、【合格マニュアル】を学習の初期段階から参考にして頂くことにより、ご利用されない場合と比較して、合格までにかかる総費用を低減することができるのではないかと考えております。
  知的財産管理技能検定1級試験に挑戦するに際しては、ご自身なりの「予算」を決めて取り組まれるのがいいのではないかと思います。潤沢に予算を割ける方であれば、試験対策講座(セミナー)等が開催されるのであれば参加をご検討されてもよいと思います。ただし、試験から近い時期に行われるセミナーで、「知らないことばかりで有用だった」ということになれば、学習の進捗が悪く、そのままではその回での合格が難しい状況になっていることだともいえます。試験対策セミナーは、「ほぼ習得したことばかりであることを確認しにいく」、というようなスタンスでご参加されるとよいと思います。仮に試験主催者(知的財産研究教育財団様)が「公認」するものであっても、次回の出題内容をセミナー参加者に特別にリークしてくれるようなものではないのです。過去問がベースになっているはずです。

 1級に挑戦する前に 2級を取得しておくべきか? 

  知的財産技能検定1級の受験資格として、@知的財産に関する業務について4年以上の実務経験を有する者、A2級技能検定の合格者で、知的財産に関する業務について1年以上の実務経験を有する者、などの条件があります。
  従いまして、知財検定2級の合格者でなくとも多くの知財実務経験者にはすでに1級の受験資格があることになります。その中で、弁理士試験の学習経験がある方であれば、初めから1級に挑戦することに対して抵抗感がないかも知れません。しかし、資格・検定試験なるものの学習経験がない方であれば、初めから1級に挑戦することは敷居の高いことであるかも知れません。資格試験なるものの学習に対して、自分がどの程度の学習量で、どの程度の得点力を向上させることができるのかについてのペース感覚に乏しいと思われるからです。1級の受験資格がある方であっても、弁理士試験等の学習経験の乏しい方であれば、2級を取得することによってある程度の知識と学習ペース感覚を身につけてから1級に挑戦する、ということも1つの方法だと考えます。また、実際には知財検定2級をスキップして1級に挑戦するものの、2級の教材も並行して学習する、という方法も考えられます。
  いずれにしても、1級の難易度は、専門教材が豊富な2級とは格段の違いがあることは認識しておくべきと考えます。
  余談ですが、筆者がこれまでに名刺交換した方の中には、「知的財産管理技能士」であると表記したものもいくつかありました。級を省略しておられる方は、2級か3級か、というものでした。1級であれば、堂々と「一級知的財産管理技能士」と表記できると思います。なお、実務的には2級の内容が1級よりも遭遇する機会が多いと感じます。1級試験は、難易度を保つため、どうしても「落とすための試験」というものになってしまいます。企業における知財人材の育成としては、まずは2級を推奨し、2級合格者には1級または弁理士を目指すことを推奨するものであるといいと思います。

 1級に合格すると、何かいいことはあるのか? 

  知財検定1級の試験に合格しますと、厚生労働省より「一級知的財産管理技能士」であることの証明書が発行されます。どのような資格であっても、それを活かすかどうかはご本人次第であると考えます。企業に勤務されている方にとっては、「1級知的財産管理技能士」がご自身のスキルを客観的にアピールするためのツールとして役立てることができるかも知れません。転職等を視野に入れておられる方にとっては1つの心理的な支えにもなるかも知れません。筆者のように会社を退社した者にとっては、「名刺に堂々と書けることは何か」 は非常に重要なことです。筆者は中小企業診断士ですが、「一級知的財産管理技能士」という名称は、他の診断士の方との差別化をアピールする上で役立っています。また、弁理士の方と面会する際にも自分が知的財産管理についての一応の有識者であることがすぐに伝わりますので、コミュニケーションをとる上で便利に感じることもあります。「一級知的財産管理技能士」という名称で、知財戦略コンサルティングの分野でご活躍の方もおられます。もちろん弁理士資格と両方取得されておられる方も多くおられます。また、関東経済産業局が公表している 知財戦略コンサルティング活用事例集では一級知的財産管理技能士の方が企業に勤務されておられながらも、中小企業等の知的財産経営を支援するプロジェクトのメンバとしてご活躍されていることが紹介されています。
  1級を取得された方がそれをどう活かすのか、それぞれの方が工夫されることだと思います。
  なお、企業や大学などの知財関係者の求人の応募者の条件として、「知的財産管理技能検定1級取得者が望ましい」といった旨のものも見かけるようになりました。知的財産管理技能検定1級の合格者は、就職転職においても有利といえるかも知れません。例えば名古屋大学では 知財管理・技術移転を担当するリサーチ・アドミニストレーター募集要項 において募集人材の条件として、「学位或いは、弁理士資格、知財管理技能士1級の国家資格を有すること」としています。
  いわゆる知財コンサルの方であれば、例えば経産省の「知財人材データベース」等の専門家登録をする際に、「1級知的財産管理技能士」であることは有利に働くことでしょう。

 1級合格に求められるスキルとは、結局のところ何なのか? 

  試験の出題分野からいえることは、知財管理の上級者としての素養、バランスのとれた実務能力、幅広く豊富な専門知識・・・といったところでしょうか。
  1級を目指す努力を払うなら、弁理士を目指した方が得ではないか、と考える方も多いのではないかと思います。「一級知的財産管理技能士」 は名称独占資格ですから、何ら業務上の許可が得られる特典はありません。
  筆者が思うところ、1級に合格するためには、「知財管理」の知識やスキル以前に、損得勘定に囚われないチャレンジ精神、情報収集力、情報分析力、企画力、計画立案・実行力、目標管理能力、そしてあきらめずに努力する能力が必要と考えます。何分、試験情報も専門教材も限定的であり、資格スクール等の専門教材や専門講座やその分野で定石として知られている勉強方法に忠実に学習をしているだけでは合格することが難しい試験ですので、マークシート方式の試験(学科試験)でほぼ合否が決まる試験であることからは評価されにくい、知財分野にとどまらない汎用的な業務上のスキルも有していることが求められている試験といえるのではないでしょうか。合格を果たせば、知財管理の知識やスキルだけでなく、前述の資質や能力を有する者であることの、一応の客観的な証になるのではないでしょうか。
  筆者は、1級合格を目指す方を微力ながらも応援したいと考えております。1級に挑戦される方が、ご自身の見識や判断もまじえながらこの「合格マニュアル」で提供させて頂く方法論や要習得事項(問答集)をうまくご活用して頂ければ、きっとよい結果につながるものと考えております。

 企業の知財人材育成において、1級受験の推奨は有用か? 

  前述のとおり、実務的には2級の内容が1級よりも遭遇する機会が多いと感じます。1級試験は、難易度を保つため、どうしても「落とすための試験」というものになってしまいます。企業における知財人材の育成としては、まずは2級を推奨し、2級合格者には1級挑戦を推奨するものであるといいと思います。
  企業によっては、知的財産管理技能検定の1級よりも、弁理士を推奨する方針であるというところがあると聞きます。それはそれでいいと思います。ただし、企業側としては、弁理士を取得した知財担当者が、特許事務所等に転職してしまう可能性も考慮した方がいいと思います。その点、知的財産管理技能検定1級は、企業における知財管理業務のスキルを磨くものですので、それだけで転職するという方は多くないと思います。
  なお、率直に申し上げて、1級試験が年に2回行われていた頃の試験問題にはあまり高品質とは思えない問題も散見されました。最近は、高品質かつ実務的にもなったと感じます。以前は、選択肢の白黒がはっきりしすぎでいるものが多かった感があります。最近は、3つまたは4つの選択肢を相対的に判断して正答を見抜くもの、つまり考えさせる問題が多くなりました。実務においても、白黒がはっきり判断できる事項は多くないと思います。また、特許専門業務に関しては、特許調査に関する問題も垢ぬけしてきましたし、経営に資する知財戦略とは何か?を扱う問題も充実してきた印象があります。このため、企業において知財管理の管理職クラスの方が挑戦するには適した資格試験になったという印象があります。

 知的財産管理技能検定は、いつ、どこで受験できるのか? 

  これにつきましては、知的財産研究教育財団様の年間実施予定を参照下さい。

 知的財産管理技能検定1級 ブランド専門業務 について 

  「ブランド専門業務」用の合格マニュアルの作成時期等の質問を頂いておりますが、試験問題、受験者数等を踏まえた上で検討する考えです。
  現時点では、スケジュール等につきまして何もお伝えできる状況ではございません。
 


知財検定 1級 合格 のために何をすべきか?


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